オトススメDtoF






Elvis Costello and the Imposter / MOMOFUKU

■「百福」ってなんやねんイギリス人が興味本位で極東の他人の名前をタイトルにしたんか、ひとの文化をめずらしがりやかって。アナログのみの発売? どうせ話題作りで後でCD出すんだから、ベテランが格好つけんでもいいやん…というのがこのアルバムの発売情報を聞いた時の第一印象、はっきりいって「コステロも終わったか」という感じで試聴すらしなかった。(安藤百福はインスタント・ラーメンの発明者)
■自分にとってコステロは八割方は「当たり」なのだが「ペインテッド・フロム・メモリー 」「ジュリエットレターズ」のような二度聴く気にならない作品が時々あるので、情報だけでそういう部類の作品として片付けてしまった(レターズも聴く人によっては名盤だろう、僕がコステロに期待する作品でないだけだ、念のため)。
■しかしネットのレビューで「コステロらしい」「昔に戻った」というものをちらほら見かけるようになった。レビュワーがいつの頃をもって「昔」とか「らしい」と表現しているのかわからなかったが、なんとなく「スパイク」や「マイティ・ライク・ア・ローズ」のころのテイストなのかなと思い、多少前向きになってAmazonのカートにいれたのが7月初め頃、そしてこの度8月に入ってようやく入手した。
■ずっと聴いているアーティストなのに本当に出会うまで時間がかかった2008年発売のエルビスコステロの新譜MOMOFUKUはあろうことか初期のアトラクションズとのサウンドを彷彿させるチープで荒削りで怒りに満ち溢れたサウンドだった。
■デビューから30年を経てもこのサウンドとテンションに戻れる、そこがコステロのすごいところなのだろう。アナログ先行発売も話題作りではなく当時の気持ちで聴いて欲しかったのだということが聴いているうちにわかってきた。ごめんなデクラン、あんたはやっぱりヒーローだよ。必聴。



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Elvis Costello & Allen Toussaint / River in Reverse

■コステロ+ニューオリンズというと88年の名盤Spikeを思い出す。あのPOPなのに荒涼としたサウンドとそこに孤高の人のように立ちはだかるコステロの諧謔は受験生だった僕の寒々とした心に染み入ってきた。今回はトゥーサンとのコラボということだが、のっけからOn Your Way Downにぶっ飛んだ。
■この曲を最初に聞いたのはLittle Feat、次はトゥーサンのヴァージョン、そしてLee Dorsey、Gov't Mule。全てアーシィで黒人あるいは黒さを意識したアメリカンサウンド、コステロのような黒さをまったく必要としないソウルフルヴォイスでこの曲を聴くのは初めてだ。何にぶっ飛んだかというとこれほど個性的なニューオリンズソングなのに、あたかもコステロの持ち歌のように聞こえるからだ。彼のスペシャルな歌唱力(というか歌唱法)はどんな曲でもコステロ色に染めてしまうのだと改めて認識した。(What's So Funny 'bout Peace, Love and Understandingの時からそうだったんだけどね。やはりすごいよこの人は)。
■そして2曲目はBetty Harris、そしてそれ以外はLee Dorseyへの提供曲なのだがコステロが唄うと最初からコステロの持ち歌、というか彼の作品のようだ。彼のワンアンドオンリーなヴォーカルに乾杯したい気分だ。またこのアルバムで光るのはトゥーサンのピアノだろう。今回完全にSteve Nieveがピアノから手を引き、ハモンドに専念している(御大を迎えてるわけだから当たり前だが)ことでトゥーサンのピアノが十分堪能できる。自らのアルバムやプロデュースアルバムでは、サウンドを厚くしているのなかなか彼のピアノを集中して聞くことができないが、しっとりと温かく軟らかい音だ。
■まあこのアルバムを聴いていない人に説明するには、Spikeに軟らかいピアノが印象的な感じだよ、と言おう。全部コステロの曲だといっても誰も気づきはしない。(オトシャベリより改稿)

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深町純& The New York All Stars / Live

■日本が生んだトップキーボーディスト深町氏78年の凱旋公演。メンバーは深町(key)、Richard Tee(key)、Mike Mainieri(vib, per)、Steve Khan(g)、Anthony Jackson(b)、Steve Gadd(d)、Michael Brecker(ts)、David Sanbone(as)、Randy Brecker(t)。スタッフ系、ブレッカー系などの最高のセッションミュージシャンがそろったライブはこれ以上は望めないというような布陣だ。
■全員が全員、音のマエストロであるからにはそのぶつかり合いが最大の聴き所であろう。もちろん深町とTee、3人のホーンプレーヤー、マニエリとガッド等、是非聴きたいポイントは数え切れない。

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Eric Gale / Multiplication

■Teeを追うように天に召されたギタリスト、ゲイルの78年のアルバムは前作Ginseg Womanの続編のようなアルバム(現在はこの2作で2on1)。
■プロデュースにBob James、バックにはGrover Washington,Jr、Hank Crawford、Ralph MacDonald、Lew Soloff、Randy Brecker、Anthony Jacksonらまさにフュージョン興隆期のトップミュージシャンのオンパレード。BobがFender RhodesやClavinetを担当しているのでTeeはオルガンとピアノに集中している。
■音的にはとても都会的、でBob James的LAっぽさとゲイルやティーの持つNYのゴスペルやR&Bらしさが上手くブレンドされている好盤。

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Ernie Graham

■ブリンズリー・シュワルツのマネージャーで後のStiffレーベルの設立者だったことからパブロック界の元締のような存在だったDave Robison。彼が最も長く期待したのはこのErnie Grahamだったのだろう。すでに人気者となっていたVan Morrisonを除いて、アーニーはディヴが最初に見つけたい才能だった。バンドで、ソロで、別のバンドに加入させて、そしてStiffでの再デビューと何度も何度もディヴは執着するようにアーニーを売り出した。しかし結果は。。。
■彼の唯一のソロアルバムはDave配下のブリンズリーとHelp Yourselfがバッキングをして非常にいいサウンドとなっている。ちょっと翳りのある湿った音、腐葉土を踏みしめる時のような湿度のある荒涼感をを演出するこのアルバムは間違いなく英SSWの名盤の一枚として数えられるだろう。
■リイシューに伴いStiffからの再デビューシングルAB面をボーナストラックにつけているが、こっちはイケない。中途半端な大瀧詠一がロイ・オービンソンを唄っているようだ。あまりにダメすぎるので必聴(笑)。
■きっと来る、きっとアーニーの時代が来るとDaveは信じていたのだろうがアーニー自身は2001年に帰らぬ人となった。(オトシャベリより改稿)

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Frankie Miller / Once in a Blue Moon

■ブレンズリーのマネージャーで後のStiffレーベルの生みの親、Dave Robinsonに見出されたフランキー・ミラー72年のデビュー作。もちろんデイヴがプロデュースを、ブレンズリーがバッキングをつとめる。
■フランキーの埃っぽいソウルフルボイスがブレンズリーの擬似ザバンドサウンドにとてもうまく溶け込んでいる秀作だ(CCRっぽい?)。当時のブレンズリーは「Silver Pistol」と「Nervous On The Road」の間くらいの時期でまさに絶好調、好きな事を力いっぱいやっている時期だから演奏にも力が入っている。このアルバムももちろんフランキーの歌とギターを中心にしているが、おのおのの楽器がうまく自己主張をしていて、あぁNickのベースの聴き処だ。お、アンドリュースのピアノがいいねえ、と言う風に、曲を盛り立てるフロントパフォーマンスを見せてくれている。
■特にピアノがいいのは曲に合っているからだろう。おすすめはソフトなレイドバックを見せる#1、バックで聞こえるピアノが効果的なR&Bの#2、サザンサウンドの秀作#5、ファンキーなオルガンが魅力的な#9など。イギリス人によるアーシーサウンドのひとつの形である。

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Elvis Costello / My Aim Is True

■実際コステロがパブロックだったことはないがパブロックシーンを基盤にして世に出たポップスターであることは確かだ。
■78年のデビュー作にして彼をスターダムにのし上げたこの作品はどの曲も荒削りながら世相への怒りとメロディアスなポップンロックに溢れている。ただ、他のアルバムと全く違った点というと名バラード「Alison」の存在だろう。
■彼のバラードは2タイプに別れる。「I want you」や「Almost Blue」「She」のようなアコースティックに激情していく切々タイプとや「I wannna be loved」「Smile」のようなメロディはたんたんとしているがゴージャスなアレンジで輝かせるタイプ。しかし「Alison」はそのどちらでもなく、コステロがポップソングで見せるような美しいメロディを激情というよりはむしろセンチメンタリズムで聞かせてくれる恋歌だ。これ以降このタイプの曲が彼のソングライティングから出てきたことはないという意味でも重要だ。

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Dr. Feelgood / 25 Years

■パブロック界の雄として、そしてパンクロックの露払いをしたバンドとしてのフィールグッドの歴史的意義は高い。しかしそれはブリローの横暴で図太いボーカルやグイグイ押し付けるようなブルーズハープとウィルコの五右衛門の斬鉄剣のようなギターがぶつかる一触即発の緊張感が奇跡的に生み出した一種の幻影のような時代のバンドの話である。
■この25周年記念アルバムの中には当然その時代−3枚の切れ味のいいアルバムと1枚の活火山のようなライブアルバム−の彼らも収録されているが、中心はその後の20年近くである。それはブリローのワンマンバンドとしての時代であり、稀代のブルーズロックマニアが編み出す何の変哲もない、R&Bへの愛情と賛歌の20年である。
■しかしMilk And Alcohlを、See You Later Alligatorを、Violent LoveやHeart Of The Cityを聞いてみてほしい。完璧といってもいいくらいのロックンロールの様式美。好きな音だけを追いかけるロックの伝道師たちの20年はパブ界のブルースブラザーズなのだ。
■好きな音を好きなだけ誰にも気兼ねせずにプレイする、それがメインストリームに上がり損ねた彼らの宝物だったのだろう。だからこそ、フィールグッドは指導者でボーカリストのブリロー亡き後も同じ音を続けて行くことに決めたのだろう。たぶんメンバー誰しもが「フィールグッドをやっている時が一番楽しいんだよね」って思っているんじゃないかな。

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Diz and Doormen / Bluecoat Man

■以前イギリス産のニューオリンズバンドってきかないよねえ? という話題をしていたときに見つけたバンド。82年のACEからの発表。ピアノ&ボーカルのDiz Watsonを中心に根っからのNOフリークらしいサウンドを聞かせてくれる。
■選曲も「Mardi Gras In New Orleans」「She Walks Right In」「Blow Wind Blow」などなどニューオリンズの名曲が溢れています。Fessにファッツドミノ、ヒューイスミスなどピアニストの持ち歌が多いのはリーダーの好みなんだろうなと。
■教則見本のようなローリングピアノにシンコペートするドラムがとってもいい感じ。好きで好きでたまらないっす、という愛情がビンビンとんで来ます。個性があるわけではないが好感が持てるライヴバンド。ブレンズリーのカントリーロックへの愛情に似たものを感じさせる。パブロックの原点ってやっぱりアメリカ音楽への底のない愛情と憧憬なんだよなぁとしみじみ。途中からビッグバンドっぽくなったりトロピカルになるのもNOらしい流れだ(笑)。
■情報的にはジャケ写にメンバーの他にギャズ・メイオールやマッドネスが写っているそうで。また、イアン・スチュアートが彼らのファンだったとかでストーンズの前座をやったこともあるらしい。

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Dave Edmunds / Chronicles

■Love Sculpture時代の68年から84年までのレーベルを越えたベストアルバム。ほとんどの人にとってはこれ一枚あればデイヴの魅力は充分伝わる。
■ニックロウとのRockpileでの活動やダックス・デラックス、フォガット、マン、ブレンズリー・シュワルツ、ストレイ・キャッツなどへのプロデュースでパブロック人脈のキーマンとして名を残すデイヴだが、彼自身は生まれ故郷のウェールズで共同経営をするロック・フィールド・スタジオに篭りがちであまりサーキットには出ない人だったようだ。そんなパブではない彼だが、彼以上にロックなイギリス人もナカナカいない。レコード会社の言うように作ったブルーズロックバンドであるLove Sculputureでの2曲を除けば、彼のスカスカな音作りの中から聞こえてくるロック一筋の気合が伝わってくる。
■ほとんどがカヴァーか提供曲なのが驚くところだが、その選曲の良さにも驚かされる。全英ナンバー1に輝いたSmily LewisのI Hear You Knockingを筆頭に当時まだデビューしたてだったコステロとグラハム・パーカーのGirls TalkやCrawling From The Wreckage。ガイ・ミッチェルのSinging The Blues、ジョンフォガティのAlomst Saturday Nightにブルース・スプリングスティーンの書き下ろしFrom Small Things Big Things Will Comeなどなど枚挙に暇がない。初期のソングライティング活動をすっぱりと捨ていい曲なら誰が作ったものでもいいというスタンスが上手い成果を出している証拠だ。
■また後にニック・ロウの定番曲となるI Knew The Bride( She Used To Rock'n'Roll)を中心とした俗に言う「ロックパイル時代」の音がベストテイクだろう。曲目で言うと7〜13だが、演奏に迷いが全くなくストレートにR&Rを楽しんでいる。
■こんな化石としかいえないようなR&Rをスタジオに篭ってひたすら作り続けるデイヴはまさにロック道の仙人なのだろう。

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Eric Von Schmidt / 2nd Right 3rd Row

■ボブ・ディランが敬愛しカバーもしたボストン生まれのホワイト・ブルーズ/フォークの立役者エリック・フォン・シュミット。ボブがジャケット写真にエリックのアルバムを置いたことはあまりに有名か。
■50年代から始まるフォークリバイバルの中から現れたにしては4枚目の72年作。ポツリポツリと機が熟すごとにアルバムを発表してきたのでしょう。そんなミュージシャンズミュージシャンをバックから支えるのは Geoff MuldaurをはじめAmos Garrett, Ben Keith, Maria Muldaur, Paul Butterfieldらのウッドストックな人たち。彼らはボビーチャールズの時もそうだったが、自分たちは脇役に徹してでも、良い音を送り出そうとしてくれる。
■#7のエイモスの滑らかなギター捌きも、バターフィールドの味のあるブルースハープで始まる#3ももっと主張していいはずなのに、あくまで主役はエリックでしかない。エリックの個性の前には歯が立たなかったのか、敬愛するブルーズマンを尊重したのか知らないが、僕は両方だと思う。エリックの渋いくせに温もりを感じさせる歌声に耳を傾けていたかったのだろう。いや、惹き込まれてしまったのかもしれない。
■フォークリバイバルの立役者とルーツロック再発見のムーヴメントの融合が72年という時代に名盤を作り、新世紀の初頭に驚愕のリイシューを生み出した。エリックの歌声は枯れているがそこにある優しさと頑固さと信念は決して枯れない。
■余談であるが、この録音があまりに気に入ったのか、彼は同じメンツで翌年もう一枚レコーディングしている。そのアルバム「Living on the Trail」がレーベルの倒産でお蔵入りになったのはとても残念なことだっただろうと推測できる。2001年に発売された。

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The Costello Show / King Of America

■TVドラマの主題歌「スマイル」やフジTVのワイドショウ「トクダネ」テーマ曲でおなじみのエルビスコステロ。86年のオリジナル10枚目のアルバムは「コステロショウ」という変名を使っての発表。
■それまでの「怒れる若者」というポップイメージを払拭し、カントリーやブルースなどをフィーチュアした。一人の「音楽好き」としてアメリカ音楽に向き合ったアルバムだ。プロデュースも近年「オー・ブラザー」でグラミーを手にしたTボーンバーネットというアメリカ土着音楽の生き字引のような男に任せている。
■本当に好きな音を本当に好きな場所で本当に好きな人たちと演奏する。そんな幸せな状況で自分の原点と向き合ったコステロの誠実さが問われるアルバムだが、自身と音楽の歩幅を慎重に選んだことにより、コステロしか作りえないカントリーやブルースに仕上がっている。
■ここにあるのは偉大なる大地アメリカに憧れるイギリスの若者の音ではなく、アメリカの音を自分なりに愛し、自分のモノにし得た偉大なるポップスターの音だ。どこを切ってもコステロでしかないカントリーが15曲(現在発売されているものはボーナストラック含め2枚組20曲)、どれも奥深い愛情と緻密な構成で出来上がっている。まさに名盤。

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Formerly Fat Harry / Formerly Fat Harry

■優しい。どうしようもなく優しいサウンドだ。イギリスで69年から2年間活動たフォーマリー・ファット・ハリー唯一のアルバムはあまりに優しくて涙が出てしまいそうになる。
■近頃話題の「木漏れ日フォーク」の流れで発掘された彼らはイギリス人3人、アメリカ人1人の4人組、69年のデビューというとアメリカのフォークリバイバルの洗礼を真正面から浴びた形だが、アメリカの乾いた独立独歩の音に比べ、霧の街ロンドンはアビーロードスタジオでの録音はどうしても柔らかくなる。その分生身の体温が音に刻み込まれてくる。
■米国人のブルースの力量と思われるほのかなレイドバック、そしてその中から生まれるピアノの温もりと優しげな歌声に時間の流れを忘れさせられてしまう。名盤と言うにはあまりに遅い発掘だが、今の時代の疲弊にこの音は相応しすぎる。
■メンバーはフィル・グリーンバーグ(vo,g)とゲイリー・ピータースン(vo,g,key)のシンガー・ソングライター・デュオと、カントリー・ジョー&ザ・フィッシュのブルース・バーソル(b)、そしてローリー・アレン(ds,元キーフ・ハートリー・バンド)。

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Fairground Attraction / The First of a Million Kisses

■傷ついた時、寂しい時、誰かの温もりに触れたい時、、、そんな時あなたはどんな音楽を耳にしますか? 僕はこのフェアグラのアルバムを聴きます。18歳の時以来ずっとそうしています。
■メガネの歌姫エディ・リーダー中心に1988年に突然現れた彼女ら、雨の遊園地の回転木馬のような寂しくも温かい音を凝縮した一枚のフルアルバムと未発表曲を集めたもう一枚を残すだけで世の中から姿を消します(エディはソロ)。メタルとダンスミュージックが中心だった時代、他のネオアコのバンドとも違ったスタンスで優しく咲き、散った仇花のような美しいアルバムは僕のそして聴いている多くの人々の心をどれだけ癒したことでしょう。
■冷静に文章を進めることが出来ません。聴いていない人がいたらとにかく一度聴いてください。

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Deep Banana Blackout / Live In The Thousand Islands...

■DBBは現在4枚のアルバムを出しているがそのうち3枚はライブアルバムである。90年台後半よりその実力を示してきたJamBand界屈指の実力派バンド。しかし彼らの実力はスタジオ録音だと十分に生かしきれないようだ。
■そんな彼らのデビュー作であり、実力をいかんなく発揮したのがこのアルバムだ。リーダーFuzzのギターが縦横無尽に走り回り、コーラスのお姉ちゃんたちを容赦なく攻めまくるあたりはカッコイイを越えてイキそうなくらいだ。
■曲調自体はよくあるマットビアンコもどきなのだが、それがなぜかとてもスリリングに聞こえるのは彼らの技であろう。



Fairground Attraction / Kawasaki Live In Japan 02.07.89

■フェアグラはアリソンモイエやユーリーズミックスなどのバックボーカルとして活動していたエディ・リーダーをヴォーカルに87年に活動を開始したバンド。名盤に数えられるアルバム「The First of A Million Kisses」一枚を残したのみで90年1月に解散してしまいました。その後シングル・未発表などの編集盤が一枚出たっきり、このライヴ(原題Kawasaki Live in Japan 02.07.89)は13年ぶりに突然発表されたアルバムです。何故川崎クラブチッタのライヴが発売されたのかはライナーノーツにあるとおり、この公演の直後にバンドが空中分解を始めたため、このライヴが事実上最後の「共同作業」だったことらしい。
■ライヴはまずアコーディオンの音色で始まり、清涼感あふれるエディのボーカルへ繋がる。ギターとドラム、そしてギタロンというメキシコのウッドベースという最小ユニットにアコーディオンやヴァイブラフォン等のゲストが付いたステージは全編アコースティックな音、まるで回転木馬に乗っているような素朴な楽しさがある。
■そしてなんといってもエディのヴォーカルがいい。ソロになって現在も活躍中だが、フェアグラ時代の無垢な少女のような歌声がボクの心をもっとも振るわせる。明るく楽しげな曲調なのに妙に切なさを感じさせる彼女の歌はきっと多くの人の心に何かの感傷を残してくれるであろう。
■このライヴでは未発表曲(後日メンバーの別バンドでお目見えするわけだが)が何曲も収録されている。これらがセカンドアルバムとして僕らの耳に届かなかったことがいまだに残念でならない。

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Funk Inc. / Hangin' Out / Superfunk

■ジャズファンク〜レアグルーヴの逸品として再評価され、90年代には再結成までされたファンク・インクは70年代前半に活躍した5人組のオルガンコンボだ。ジャズファンクとR&Bのノリを上手くブレンドしたそのサウンドは70年代にはとてもスリリングでファンキーだったと推測されるが、今の僕らが聴くとすると、とてもグルーヴィで心地いいサウンドということになるだろう。そこにはコンガのリラクシンなラテン風味が加味されているのも一因だ。
■オルガン×サックス×ギターという旋律部門とドラム×コンガというリズム部門が上手くブレンドされ、ジャズ〜ラテン〜R&Bという音楽性を表現している。フュージョン/クロスオーバーの時代が到来する直前のフュージョンサウンドとして認識してもらえば大きな間違いはないだろう。
■オススメするのは73年発表の2作品HANGIN' OUTとSUPERFUNKの2on1CD(UK盤)だ。各6曲収録しているが前者はフュージョン時代幕開けの先触れのようなアルバム。実に親しみやすいメロディに載せて3人のメロディが縦横無尽に渡り歩いている。インストゥルメンタルR&Bの佳作として実に心地いいレアグルーヴの感覚を味あわせてくれる。ゴードン・エドワーズ(b)参加の#1、カーティス・メイフィールド作の#2も実に心地いい。
■また、後者はタイトルどおりFUNKであることをかなり意識している。ミーターズのノチェンテリ作曲による#7にはじまりバリー・ホワイト作曲の#12まで全編リズムアンドブルースの色が濃い。そして6曲中4曲がボーカルチューンである。そのどれもがソウルフルで熱い。レアグルーヴというイメージよりもやはりソウルアルバムといったほうがいい。ジャズファンクのFunk.IncではなくR&BのFunk.Incであることを印象付ける一枚だ。

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Dave Stewart & Barbara Gaskin / The Singles

■Egg〜Hatfield&The North〜National Healthなどのバンド活動や、プロデューサー/アーティストとして、ロンドンで活躍していたデイヴ(ユーリーズミックスのスチュアートとは別人)はSoft MachineやBill Brafordらとの親交からも分かるように、グラムロック中心の70年代後半にあって、知的でプログレッシヴなサウンドクリエーターとして、趣味人受けしていたアーティストだった。
■彼がソロプロジェクトをはじめ、レーベルを設立する一環として、上記のHatfieldやSpyro Gyra(フォークプログレバンドであってフュージョンのではない)、National Healthでボーカル活動をしていたバーバラをボーカリストに起用したことからこのユニットは出来たという。他のボーカリストでもシングルを出しているので、よっぽど相性が良かったのだろう。81年にIt's My Party(レスリー・ゴアのヒットソング)のカバーでデビューし、それ以降A面カバー、B面オリジナルというスタンスでシングルを発表していった。
■初めてアルバムが出たのがアメリカでの編集盤が86年、そしてこの日本編集のシングル集が出たのが87年なので、結局彼らは5年以上も活躍していてもアルバムを出さなかったことになる。なんとも不思議なユニットだ。
■内容に入ると6枚のシングルのA/B面を収録しているだけなのだが、A面の方のラインナップがすごい。前述のレスリーゴアのものやホーランド/ドジャー/ホーランドの往年のモータウンヒットやペギーリーの曲、何故かトーマスドルビーの曲まで入っているのだが、どれも清清しいエレポップに仕上がっていて、違和感がない。バーバラの声もとても澄んでいて実に気持ちのいい楽曲になっている。そしてB面集のオリジナルだが、こちらも負けじとクオリティの高い楽曲そろいなのだが、プログレッシブな面が見え隠れする分、旋律に派手さがなく、A面のヒット集にはちょっと太刀打ちできかねる感じだ。しかしクオリティの高さは保証できる。(オトシャベリより改稿)



Elvis Costello / Imperial Bedroom

■怒れる若者がPOPアーティストとなった瞬間の作品。彼のメロディアスな特性を十二分に活かしたのは、ビートルズのエンジニア、ジェフ・エメリックのプロデュースだろう。
■コステロをビートポップで括っている人の中にはこのアルバムに否定的な意見が多いが、まさしくこれがバカラックフリークだった彼の本性なのかもしれない。
■まさにポップな2・11、美しいバラードの6や10、オーケストレーションが美しい7、そして典型的な秀逸POPの8など魅力たっぷりだ。完成作ではないが過渡期として、大人と子供の微妙な位置にいるコステロのすべての魅力が詰まった一枚である。

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Eggs Over Easy / Good‘N’Cheap

■ザ・バンドになりそこねたが故に歴史に残ったバンド。彼らがザ・バンドのようにアメリカで確固たる地位を築けたら、イギリスに渡る必要もなく、そしてイギリスのパブ「タリーホ」で演奏することで、若者を刺激し、パブロックなどというものが生まれることもなかっただろう。
■イギリスで録音し、帰国後72年にリリースされたのデビューアルバム(70年代末に2ndが出ているらしい)は緩めのカントリースワンプ。歌のヘタウマさはご愛嬌だが、全体的には地味で凡百のザバンドフォロワーたちとなんら変わりはない。しかしその音楽への愛情がブレンズリーたちの魂を揺るがし、後のパブロック〜パンク〜ニューウェイヴへと続いたということは紛れもない事実だ。「歴史」を学ぶ意味で必聴のアルバム。ピアノが気持ちいいです。

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Dr.Feelgood / Stupidity

■WilkoとBrilleauxが絡んだ唯一のライブアルバム。PubRockもまた、ライヴが主体のムーヴメントだったが、その中でも郡をぬいて人気だったフィールグッド。彼らの絶頂期75年の記録だ。
■なんたって勢いが違う。一刀両断のウィルコのギターと、猪突猛進のブリローの歌声がまるで武蔵と小次郎の対決のように真に迫ってくる。実は演奏しながら血を流し合っていたのではないかと思わせるくらいの鬼気としたライヴというのも他にはないだろう。
■どのテイクもスタジオ録音盤の数倍も迫力があり、これこそがライヴの醍醐味であるという部分を惜しみなく見せてくれる。

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Deaf School / Don't Stop The World

■アズテックカメラやマッドネス、スタイルカウンシルやミックジャガー&デビッドボウイの「Dancing in the Street」のプロデューサーであるクライヴ・ランガー、最近ではジーザスジョーンズのプロデュースや映画「High Fidelity」のサントラも手がけた彼が70年代に活躍したバンドがこのデフ・スクールだ。
■リバプールのアート・スクール出身者中心に結成された9人組のモダンポップ・バンド。時代の趨勢がプログレ〜グラムだった頃にPOPを貫いて、後のニューウェイヴに多大な影響を与えた「アートスクールロック」を創造していった。(余談だが、クライヴのアートスクール時代の講師はイアン・デューリーだったとか)。
■そんな彼らの77年の2枚目のアルバムがこれ。このアルバムの中では「TAXI」がスピード感あるのに、冷たいピアノの音が妙にセンチメンタルで心地よい。TAXIもそうだけど、やはりピアノやギターのリフがとてもチャーミングで小気味いいのです。各々の楽器が曲に入っていくカッティングがとてもいい。しかし決して乾いた音ではなく湿った感じ。クライブの曲はみんな潤ってます。この潤ったポップさが英国風ポップの良いところでしょうか? この音はアメリカ人には出せまい(笑)。



Ellen McIlwaine / Up From The Skies:The Polydor Years

■90年代のフリーソウルムーヴメントで再評価されたエレン・マキルワイン。ボトルネックギターをかき鳴らし、タイトでファンキーなリズムと呪文のようなスキャットで独特のフォーキーグルーヴを生み出す彼女の初期2枚のアルバム「Honkytonk Angel」('72)と「We The People」('73)のコンピレーションだ。
■はっきりいってこの2枚以外、エレンには聴きたいアルバムはない。しかしこの2枚の恐ろしく個性的で強いグルーヴ感は音楽を愛するものなら一度は体感してほしい。アコースティクなブルースがこれほどまでにファンキーでソウルフルになりえることを体感してほしい。そして彼女の魂に触れてほしいものだ。
■宣教師の両親のもとで日本で育った彼女の朴訥で実直な性格はその歌い方にも出ている。ジミヘンのカヴァー「Up From The Skies」やボビー・ジェントリーの「Ode To Billy Joe」などもピューリタンらしい堅実さと優しさ、そしてヒッピー文化の申し子らしいスリリングなリズム感がいい感じにブレンドされている。タイトでファンキーでストレートで揺らぎない、そんな音楽だ。そしてそれは、文句なくカッコいい。

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Devine & Statton / Prince of Wales

■黒地の上に水彩画の花をあしらった上品なこのアルバムはクレプスキュールのデュオのファーストアルバム。1989年のこの作品は、elと並ぶヨーロッパの耽美系レーベル、クレプスキュールの後期の傑作のひとつ。
■Allison Stattonの澄んだボーカルとIan Devineのアコギターがとても清い空間を作り出している。Swan DiveやEBTGなんかそうだけど、ネオアコって基本的にすっごく清清しい。草原や湖が似合う東山魁夷の世界のようだ。
■しかし、D&Sはちょっと違う。もっとも違うのは3曲目Bizarre Love Triangle、The Smithsと並ぶ80年代イギリスのカリスマグループNew Orderの名曲をアコースティックで再現したものである。この曲はマイナーコードの重いダンスナンバーで屈折した精神性を表している。その歪みをか細く鋭利な弦で表現することで狂気と隣り合わせの美しさがにじみ出る。アルバム全体がそんなトーンだ。
■確かに一見清清しい。しかしそこの他のネオアコバンドにはない毒がある。その毒は都会の猥雑さ・ストレス・混乱etcを元にしておりそれらを美しいボーカルと弦で包み隠している。それらは狂気じみた線の細さや気を失いそうな美しさの中に秘めた悪意なのかも知れない。幻想的な甘美さを持った麻薬、媚薬? そんなアルバムだ。さすがクレプスキュール!



Elvis Costello / Brutal Youth

■数年ぶりに元のパートナーであるアトラクションズとプレイした96年のアルバムBrutal Youth。夢と情熱だけでぶつかっていった仲間たちとのプレイは「恨みつらみは抑えながら」のセッションだったようだがその息の合い方は「数テイクで見事に仕上げ」ってしまったらしい。地位も名誉も持ち合わせ分別をも覚えた彼らは何を思ってプレイしたのだろうか?
■そんな再会アルバムが「無軌道な若者」というタイトルになったのはなんとも皮肉だ。そしてそのタイトルに相応しく、このアルバムは数年ぶりにコステロの口から「怒り」がぶちまけられることとなった。トーマスの追い立てるようなドラムの上を、唾を撒き散らしながら早口で叩き付けるコステロの歌声、しかしそれは決して感情に身を任せた爆発や、身体を張った向こう見ずなアジテイトではなく、細かい配慮の元に紡ぎだされた音のバランスの上に効果的に並べられたシャウトだった。人の心に如何にすれば届くか、どうすれば人は耳を傾けてくれるのか、それらをしっかり計算した上での怒りの噴出なのだ。
■もう決して若さでは売り出せない人間が自分の感情を表現する時にはこうするんだなと、このアルバムを聞き返しながら感じてしまった。若さのように身を任せてぶつけるんじゃなくて、そこに今までの自分の軌跡という説得力を忍ばせつつじわりじわりと相手に言いたいことを感じてもらう、それが大人の夢の追い方なのかもしれない。コステロにそんなことを教わった。(オトシャベリより改稿)

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Ernie Payne / Coercion Street

■雨音のようなフィンガーピッキングで始まるこのアルバム。アコギの弾き語りを中心に、土埃を感じさせるブルーズ/フォークソングを聞かせてくれる。
■アーニー・ペインという人は全く知らない。写真からすると結構な歳だろう。デビューアルバムだろうか? オーストラリアの人らしい。相棒のRob Zuccaのエレキとの二人での曲と4人編成のバンド体制の曲が半々だ。
■力強い意思を感じさせる歌声とレイドバックするサウンドは、資料を読むまでサザンロックの人だと思っていた。ここまで「いぶし銀」だと国籍は判別不能だ。Coercion(強制・抑圧・圧政)Streetというタイトルからするとメッセージ色の強いアルバムなのだろう。全然紹介になっていないがジャケを見て、音をイメージされた方、その連想された音は大方間違いないです。渋くてほろ苦いバーボンのようなアルバムです。

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Donny Hathaway / Live

■ニューソウルの先駆者であり、音楽や社会にもっとも真摯に立ち向かった早逝のソウルシンガー、ドニー・ハザワェイの71年のライヴだ。
■このアルバムを語る時、必ず出てくるのがオープニングの「What's Goin' On」の件だろう。オリジナルのMarvin以上にこの曲を表現豊かに唄いこむことができるアーティストは今後は現れないであろう。「You've Got A Friend」や「Jealous Guy」もそうだ。まさにドニーの表現力の集大成のようなアルバムである。
■またジャズの演奏力に裏打ちされた緻密なバック演奏(彼自身のPianoやCornell Depreeのギターなど)ももう一つの聴き所だ。

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Danny Kortchmar / Kootch

■ジェームス・テイラーやキャロル・キングとバンドを組んでいたギタリスト、「クーチ」ことダニー・コーチマー、彼がジョー・ママというカントリーロックバンドを解散し初ソロに挑んだのは73年でした。これ以降も彼はギタリストとしてドン・ヘンリーやビリー・ジョエルら一流アーティストのバックサポートとして音楽ビジネスを支えていくので、歌手としての彼の音を堪能できるのはこのアルバムだけだといっても過言ではないでしょう。
■だからといって失敗作というわけではなくこれが「歴史的名盤」として今日まで記憶され続けているのはおかしなものです。事実、ソウル・カントリー・R&B・ジャズ・ロックがとてもいい配合でブレンドされている極上のポップアルバムなんですから。
■クーチ曰く「ボク自身が聴き手であることを優先し、それに根ざした音楽です」。彼は自分が聴いていて気持ちのいい音楽を目指したのである。自分を主張するのではなくあくまで気持ちのいい白人R&Bを作ることで、自身の唯一のボーカルアルバムを完成させたかったのでしょう。その誠実な想いが伝わるからでしょうか、このアルバムは本当にファンキーで本当に温かくて本当に気持ちのいいアルバムになりました。

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The Dinning Sisters / Back In The County Style

■40年代から50年代にかけてミッドウェストで活躍したダイニング三姉妹の隠れた名盤。カウボーイバラードやスイングフォーク・オールドタイプのゴスペルをカントリースタイルでコーラスしてくれる。
■家族全員が音楽家だったというダイニング家のジーン、ジンジャー、ルーのコーラスは本当に古き良きアメリカの代名詞のようなものだ。George Barnesのギターも心地良すぎ。
■暖炉の火が揺らめくのを眺めつつ、ロッキンチェアでうつらうつらなんてイメージにぴったりだ。こんな音が18週間もヒットチャートに並んでいた時代が羨ましい。

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Django Reinhardt / Japanese Planet Jazz Buget Collection

■戦前戦中にフランスを中心に活躍したジャンゴのギターは指が二本使えなかったというにはあまりに繊細であまりに巧み過ぎる。しかしその巧みさよりも彼のギターには温もりの方を感じてしまう。フォークではなくクラシカルギターだからであろうか? 樹の温もりがそのまま感じられるような音なのだ。
■甘く素朴な曲も激しいジプシースイングもちょっと気取ったような曲でさえも全てが温かく全てに余裕が感じられる。一音一音に感情を込める繊細さと全てを包み込む寛容さを兼ね備えた音だ。
■レコード会社の企画シリーズだが伝説のジプシーギタリスト、ジャンゴラインハルトの入門には最適な一枚。

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Dan Hicks and the Hot Licks / Last Train To Hicksville...The Home Of Happy Feet

■カントリーに根ざしたスイングJAZZといえばよいのか、今流行の言葉で言えば「アコースティックスイング」というジャンルになるのだろうか。スイングという言葉を使うにはちょっと土臭いダン・ヒックスの73年のアルバム。
■開拓とか西部とかいう言葉がぴったりな埃っぽさの中から聞こえてくる軽やかな弦の響きがとても心地よい。明らかに「邪魔にならない」音楽。あんまりこの人のことは知らないのだが、いつまでも流しっぱなしにしたくなる。
■焚き火を囲んでギターを爪弾くカウボーイとそのリズムにあわせて歌い踊る仲間たち、月並みだがそんな光景が目に浮かぶようなアルバムだ。フィドルの音色がとても気持ちいい。

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Donald Fagen / The Nightfly

■Donald FagenがファーストソロアルバムThe Nightflyで見せたのは大人の遊びであった。巷ではSteely DanとFagenのアルバムは何処が違うのだろう、といわれる。勿論、同じアーティストであるからしてかなり似た音作りをしていると思う。しかし、明らかにSteelyよりファンキーでリズミカルなアルバムだ。
■Steely Danがベッカーとフェイゲンの共同理想による、スタジオワークの面において高度な完成を求めたPOPSであるとすれば、The Nightflyというソロアルバムは、高度な完成度を作り得る面々ではあるが、完成度よりも自分自身が楽しむことをメインにおいた作品だと思う。だから、GauchoやAjaで感じたような緊張感はこのアルバムからは感じられない。スティーリーと聴き比べると軽い感じすらしてしまう。
■音楽性や云々よりも、自分の好きなJazzやSoulを自分流の解釈で音楽にする。自分がSteelyという「仕事」で蓄えた能力と技術と人脈を使って遊んでいる、そんなアルバムだ。そしてその軽みをもった「遊び」が多くの人々に受け入れられてしまうのも彼のそれまでの蓄積であろう。(オトシャベリより改稿)

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The New York Rock And Soul Revue/Live At The Beacon

■Donald FagenがMadison Timeをカバーし、MichaelMcDonaldとPhoebe SnowがKnock On Woodを、Eddie&David BrigatiがGroovin'を熱唱する。それだけでも十分魅力的なライブアルバムでしょ? そこにBoz ScaggsやCharles Brownも登場するんだから、聴き所といえばきりがない。
■でも何よりもこのライブで面白いのはDonald Fagenが完璧主義に徹しているソロやSteely Danの枠を取り払い、リラックスして楽しんでいるところだろう。
■演奏自体は全体的にちょっとゆるめだが、NYという街のオトナの遊びが垣間見れてとても楽しめます。91年の作品。

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Elvis Costello / Spike

■コステロは誠実なアーティストだと思う。音に対して妥協しない。いつも一定のテンションを保っている。どんな失敗作でも一定の成果を納めながら失敗している。だから失敗でも聴いててまったく後悔しない。そんな彼の集大成のようなアルバムがこれ。
■ポールマッカートニーとの共作アルバムであり、共演がダーティダズンブラスバンド・Tボーンバーネット・ジムケルトナー・アラントゥーサン・クリッシーハインド等々。そして大ヒット曲Veronicaを産んだというなんとも話題盛りだくさんなアルバムなのですが、何がいいかってノッテる処。満足して演奏しているのが伝わってきます。ポップであり、かつ燻し銀な味わいもある。叫びもあれば楽しそうなところもある。
■それまでの10数年の彼の音の集大成って感じがします。大好きなコステロ、一枚残すならこれかな

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