New Orleans A






African Music Machine / Black Water Gold

■このアルバムはニューオリンズのくくりというよりはレアグルーヴの範疇で語るアルバムだろうなあと感じるAfrican Music Machineのレアな7インチをコンパイルした編集盤、1972年リリース。
■African Music Machineてのはルイジアナ州シュリヴポートを本拠地に、フォンテラ・バスやヤング・ホルト・アンリミテッドで知られるJewel/Paulaレーベルのスタジオ・バンドとして活動していた8人組で、時代らしい野太い黒さを良くあらわしている。タイトル曲はJBっぽいギターリフとブロウするホーンが超ゴキゲン。アップビートとかスリリングというほどではないが腰にグイグイせまってくる感じがなんともいい。大音量で聞きたい一枚。

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Jazz Fest Live 2005 / Allen Toussaint

■アラン・トゥーサン05年のジャズフェスでのライヴ。会場はSprint。年齢を感じさせない張りのあるライヴ。というか体型、外見、音、歌、アレンジともに30年前とあんまり変わりがないトゥーサンってすごいと思う。70年代にこの人は完成されていたんだろう。そしてライヴらしい迫力とか、ライヴだから仕方のない荒っぽさとかそういうものがまるでない。録音状態程度の問題だ。
■そういってしまえば単なるヒットパレードでしかないライヴだが、ここでのお宝といえばメドレーで唄われたCertain Girl(Ernie K-Doe)/Mother In Law(Ernie K-Doe)/Fortune Teller(Benny Spellman)/Workin' In A Coalmine(Lee Dorsey)とGet Out Of My Life Woman(Lee Dorsey)というセルフカバーだろう。ほとんどがメドレーなので堪能できるというほどではないが、本人が歌うとこうなるのね、という納得は出来る。前年の2004のライヴでもLady Marmaladeが唄われているから是非聴いてみたい。
■こういうジャズフェスライヴが公式に販売されることになったのはフェスタの商業化に伴う悪しき部分なのかもしれないが、現場にいけない僕のようなファンとしてはうれしい「商業化」でもある。

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Allen Toussaint / Connected

■トゥーサン自身のレーベルNYNOからの96年のアルバム。今は亡きSea−Saint Studioでの録音だ。何も足さない何も引かないというフレーズがずいぶん昔にあったが、そのものだ。70年代と何が違うのか全くわからない。つまり良いのだ。
■それでも多少シンセの音とかは新しくなった。コンピューター・レディなんてご愛嬌の曲もある。Get Out of My Life WomanをインストでやったりクールファンクまがいのFUNKチューンもあったりする。フュージョンっぽさは増したのかもしれない。でも「だからなんだ」というくらい父さんは父さんだ。
■つまり彼のピアノの音色、力の抜けた歌声、緊張感あるのに優しいリズムやメロディ、そしてなによりセカンドライン・ビート。ワンアンドオンリーだよね。いつでも、いつまでも変わらないのだろう。名作とは言いがたいがいつ聴いても心地いいアルバム。

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Aaron Neville / Gospel Roots

■恥ずかしながら、、、なのかどうかはわからないが、NOフリークを自称しておいて、Aaronのアルバムは全く持っていませんでした。まあミーターズはほとんど持っているのにネヴィルBrosのアルバム自体数枚しか持っていないところからわかるように、アートは良くてもアーロンはイマイチ入り込めません。このアルバムも2枚組でお得だしゴスペルソングだから勉強にと思って買いました。
■いつもどおりホニャホニャ唄っています。高音が本当にキレイですね。ゴスペルのスタンダードやゴスペルメッセージの含まれたPOPソング(Let It Beやら明日にかける橋やら)が25曲詰まっています。これからゴスペルを勉強したい方には絶好の教科書アルバム。日本盤は一枚ですので2枚組のUS盤が絶対的にお得です。

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Allen Toussaint / From a Whisper to a Scream

■50年代からヒットプロデューサーとしてビッグイージーに君臨したアラン・トゥーサン、71年発表の「実質的」ファーストソロだ。体裁は1〜6が歌モノ、7〜11がインストである。
■やはり耳が行くのは歌モノだろう。Robert Palmerもカバーした#1、近頃Joss StoneもカバーしたJoe Simonの#2、Eta JamesやIrma Thomasもカバしてる#3、Bonnie Raittがカバーしている#4、Lee Dorseyのヒットで知られる#5、同じくDorseyやLou Donaldsonのカバーで知られる#6。
■しかしインスト部分が決して地味なわけではない。というよりもトゥーサンマニアならこのインスト部分のほうが重要かもしれない。なぜなら、クラシカルだったりゴスペルタッチだったり、アドリブっぽい旋律だったり、彼のバックボーンの部分が見え隠れするチューンにあふれているからだ。またピアノが中心にいる状態というのは彼のほかのアルバムではなかなか聞けない(ボーカルものだしね)。そういう意味でもとても重要だろう。
■主なバックミュージシャンはオルガンとギターにDr.John、元ホーケッツのジョン・ボドルー、サックスのアール・タービントンはWillie Teeの兄弟でこの後Wild Magnoliasにも参加する。トランペットのクライド・カーはこの後、フランキーミラーやキングビスケットボウィなどに参加する。このアルバムではまだミーターズが参加していないが、ミーターズのねちっこさを取り払った状態でのトゥーサンを知ることが出来るのも重要かもしれないね。

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Allen Toussaint / The Complete Warner Bros. Recordings

■今頃になって何を言っているのかと思われるかもしれないが、Allen Toussaintってイイねー!ということに気付いたのがこの限定版でした。RhinoHandmadeです。
■以前紹介したCollectionと同じで原盤は1972の「Life, Love And Faith」と1975の大ヒット「Southern Nights」そして1978の「Motion」からのテイク、しかもこちらは全曲。そして未発表ライブが10曲付いて2枚組。Collectionの時は「トゥーサンの声が苦手でダメだ」というようなコメントをつけたが、こっちは素晴らしい。歌もしっくり来て毎日ヘヴィィローテーションしている。リマスターのおかげだろうか? それとも自分の耳嗜好が以前と変わってきたのだろうか。
■名盤「Southern Nights」の評価は置いておいても、「Life〜」も同じくらい高品質なNOサウンドだし(Metersがバックだしね)、Larry CarltonやRichard Teeらフュージョン界でノリノリだったメンツを起用し、Etta JamesとBonnie Raittをバックヴォーカルに迎えた「Motion」も文句なくタイトでカッコイイ。
■そしてLIVE。妙に60年代アトランティックサウンドを意識したオープニングはネタなのだろうか? 全体的にビートが速い。スタジオ盤以上にダンサブルでホーンが効いている。NOの伝統がどーのや音楽の進化がこーのではなく、エンターテインメントに徹する黒人ミュージシャンのショウが堪能できる。国内で買っても海外から輸入しても5000円以上する代物だが、コレは買ってよかった。本当に良かった。Rolling Stone誌のTop Ten Reissues of 2003に選ばれている。限定2500枚、ボクのはNo.1075でした。

■ライノのサイト、コンプリートと各盤のリンクとなってます。



Art Neville / Mardi Gras Rock'n'Roll

■Art NevilleがMetersを組むはるか前、20代のころに録音したリズム&ブルーズたちを集めたコンピ集。
■ネヴィル自伝を読んでも分かるが、彼も無学をいいことにかなりいいように使われていたようだ。ヒットしても印税を払われなかったり、録音してもリリースされなかったり。著作印税はいまだに不明瞭なままのものもあるらしい。
■そんな苦労していた頃の録音だが、19曲中14曲の(P)が80年代以降となると、ほとんどが未発表曲ということだろう。Specialtyレーベル時代のもの。
■Hawketsをやっていた頃に知り合ったLarry Williamsの影響で作った「Zing Zing」や「Oooh-Whee Baby」、そのラリーとともに唄った「ロッキン肺炎ブギウギ流感」、Harold Battisteのプロデュースでカントリー曲を斬新にR&Rにしヒットした「Cha Dooky-Doo」などなど元気な若者のロケンロールが詰まっている。
■まあ元気でノリがいいというだけで大した曲はあまりないのだが、MetersのArtの流れを知るにはとても面白い。そして、それ以上にネヴィルズの自伝を読みながら聴くと興味深いことこの上ない。

■ネヴィル自伝はロゴをクリックしてね



Al Broussard / Music Of A Lifetime

■ピアニスト/ボーカリスト/ヒューマントランペッター、アル・ブラソード78歳の録音、84年発表。バンドなしの弾き語りアルバムを一枚飽きさせずに持たせられるアーティストってなかなかいないよね。このおっさんも2001年に亡くなってしまった。今頃になっての出会いだけど、いい音してます。
■どちらかというとタッツやブッカーよりもフェスに近い鍵法、でもフェスほど弾きまくらない。程よく間を空けて畳み掛けるキータッチはタッツっぽいかな、でもタッツよりも音は硬めな感じ。そんなピアノの音色に迫力あるくせになんとなくトボケたボーカルはヘタウマだけど気持ちよさそう。#5や#8などの興の乗ったところで出て来るヒューマントランペットってのは草笛みたいなぴーぴーという音、上手いかどうかは別としていい味出してます。
■こんな弾き語りが何十年も、いつでもバーボンストリートでは聞けたんだなと思うとなんて幸せな場所なんでしょう。このアルバム、とても長い間聴けそうです。 (2004/02)

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Allen Toussaint & Friends / A Bit Of New Orleans

■アマゾンでたまたま643円だったもので購入ボタンを押したコンピ。アラン・トゥーサン自ら経営に関わっているNYNOレーベル(ニューヨークでニューオリンズを売るという意味らしい)の98年のコンピで、ニュー・バース・ブラス・バンドやゴスペルのレイモンド・マイルズ、ジョン・ブッテの姉(?)のトリシア・ブッテがアランとデュエットしている曲などなど12曲。
■しかし、全編ユルユルです。これが世紀末の音かよってくらいのんびりゆったりしたトゥーサン流ファンクが聴けますなぁ。このアルバム、NYNOのカタログではなぜかTaste of New Orleansというタイトルに変っています。だから643円だったのかな?

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Allen Toussaint / Collection

■実はあんまり得意じゃない。NOR&Bの立役者、彼のプロデュースで世の中に出たアーティストは枚挙に暇がない。しかし、彼の声がイマイチ苦手だ。
■しかし、どの曲も素晴らしいことは認めよう。その構築力も表現力もニューオリンズそのものでしかない。軽やかなのに腰にずーんとくるリズム感、地の底から這い出してくるようなホーン、そしてまさにローリングしてるピアノ。。。楽しくなってくる。
■70年代の4枚のソロ"Live, Love And Faith," "From A Whisper To A Scream," "Southern Nights" そして "Motion." からのセレクト16曲。歌声以外はどれもイイネ!

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Aaron Foret& Duane Schurb / Two Generation of Swamp Pop

アップルジャムさんの推薦で思わず買ってしまったSWAMP POPアルバム。スワンプポップってのは黒人音楽の影響の強いルイジアナ独特の白人ポップスで、ケイジャンっぽいゆったりとしたリズムが特徴的。アコーディオンやフィドルを使うことも多い。CCRやleon Russell、Dan Pennらが強く影響を受けたとモノの本には記されている。
■話を戻そう。このアルバムはSWAMP POPの雄Duane Schurbと期待の若手Aaron Foretのデュオアルバムだ。氷川きよし&北島三郎みたいなものだと思えば間違いはない。
■モッタリとした音の流れの中で気持ちよく声を張り上げる老人と若者、しかし、家族か同じグループなのかと思うくらいその息はぴったり。サックスが気持ちよく響いてきてなんだか優雅な気持ちになります。Aaronのキーボードの腕前もなかなかで、浜辺の夕焼けを彩るような素直に素敵な気分になれるアルバムです。マッタリモッタリしたいなら最高の一枚。

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A.J. Loria / New Orleans,New Orleans...

■ロリアは47年生まれだから1984年にこのアルバムを世に出した時は30代だったわけだ。なるほど、まだまだ若い感じの歌声に納得できる。
■ 当時のジャズ/フュージョンの影響を受けて作ったであろうこのアルバム。あまりNOっぽくはない。泥臭さとは縁遠く、洗練された都会の音楽的だ。人気TV番組「サタデーナイトライヴ」で紹介されて世に知られるようになったというのも良くわかる。セカンドラインのビートやシンコペートされたグルーヴを聴くことは出来ない。しかし、彼のピアノの転がり方や、ビートにうっすら表現されているゆるい「間」はまさしくNOに生まれ育った人間のソレだ。
■ 「もっとジャジーに大人の雰囲気を出したかったんだけど、やっぱ俺ってニューオリンズなんだよねぇ、こうなっちゃうんだわ」的な想いが、タイトル最後の「...」に出てると思うのは考えすぎだろうか? Wynton & Branford Marsalis兄弟を中心にJohn VidacovichやCharles Neville、そしてDave Bartholomewの甥っ子Herman Bartholomewらがバックアップしたムーディニューオリンズアルバム。なかなかマッタリできます。 (200404)

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Anders Osborne & Big Chief Monk Boudreaux / Bury The Hatchet

■スウェーデンからニューオリンズに住み着いたスワンプギタリスト、アンダーズ・オズボーン(山岸さんみたい)がマグノリアスから別れたビッグ・チーフと楽しんで作ったようなアルバム。2002。
■バンドにはジャズ系のサックス吹きTim Green、Brian StolzやDavid Torkanowskiたち。ベースがいなくてダーティダズンのKirk Josephのスーザフォンが代役って感じかな。カークはここしばらくオズボーンと活動してるようなのでこういう音作りが彼の好みなのかもしれない。
■ユルいニューオリンズの音、スワンプとインジャンとブラスバンドとミーターズ系ファンクとジャズのアーティストがごった混ぜで音作っているんだからニューオリンズ以外ではありえない音だね。音も曲もなんの新しさもないけど結構好きです。

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All That / The Family Album...A Live Record

■「brass meets funk with a side order of rap」それがAll Thatを言い表している言葉だ。NOのラジオ局WWOZのDJ・Davis RoganがKeyとライティングとボーカル(とRAP)を担当し、様々なバンドから人を募ったまさにNO最強の寄り合いバンド。
■だからメンツの往来は激しいが、その新旧メンバーが集ったライブがコレ。2ドラム・2スーザホン・2ギターで厚く熱いライブを聴かせてくれる。
■ジャムのスリル、ブラスの重厚感、セカンドラインらしいマッタリさを兼ね備えた、NOジャムシーンの方向性を指し示す一枚。

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All That / The Whop Boom Bam

■こちらはミーターズ直伝のセカンドラインのリズムにラップを絡めたもの。ラップというととても攻撃的で、HipHopな感じがするので、旧来の音楽ファンにはちょっとなじみにくいものではありますが、このリズムなら大丈夫。とても和めるラッピングであります。
■ファンキーで和める。その点は今までのセカンドラインものとなんら変わりはないです。新しそうに見えて実は安全ラインにいる音です。お父さん方も必ず気に入りますよ(笑)。

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