New Orleans H






Henry Butler / Homeland

■前作「The Game Has Just Begun」の打ち込み中心の音から打って変わり、2004年のこちらは古式ゆかしきブギウギ、R&B、ジャンプブルーズなど充分に堪能できる。バックのメンバーも良くこなれた音を出していて「俺たちこそが21世紀のニューオリンズサウンドだぜ!」的な自信と風格に満ちている。
■Fessを思い浮かべる音数の多い絨毯爆撃系のピアノだが、歌も意識しているのだろうか? Ode To Fessなんて曲もあるし相当それっぽい歌声だ。しかしヘンリーはFessの突き抜けるようなあっけらかんさはない。ピアノも歌も教授よりももっと重量感がある。それはさておき何度も楽しめる好盤であることは間違いなし。

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Henri Smith / New Orleans Friends And Flavours

■なんだか良くわからないが正統派クレオールアルバムだ。とりあえずジャケを見るかぎりではHipHop?と思ってしまうが、いきなりBig Chiefのイントロ、軽妙なピアノ曲が始まるのだ。
■そして甘いボーカルジャズっぽい雰囲気に・・・・・・というのもDonald HarrisonにKermit Ruffins、Jason MarsalisやTuba Fatsなどなど今をときめくNOジャズ〜ブラスバンド系のアーティストがかなり多く参加している。
■ちょいと肩透かしを食ってしまったが、これはこれでなかなかいいアルバムだ。しっとり優雅な時間を過ごしたい時にはとてもオススメのアルバムだろう。

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Henry Butler / Blues After Sunset

■盲目のピアニスト・Butlerと同じく盲目のギタリストSnooks Eaglinそしてブルーズハープというトリオ編成のこのアルバムは音数がこれだけ少ないにもかかわらずとても力強い音楽を聞かせてくれる。
■ 低音中心の厚いピアノの上にねじれるギターと絞るようなハーモニカのうねり。そして雄叫びをあげるようなバトラーのヴォーカルがかぶさるととてもトリオとは思えない重低音、絨毯爆撃のようなグルーヴ、ビンビン響いてくる。
■ふとProfessor Longhairを思い出した(教授とスヌーク・イーグリンは相棒だったね、それが原因かな?)。しかし(時代のせいか)教授よりかなり洗練された音だ。教授の戦車のような鍵盤さばきに対して、こちらはスティルス戦闘機か大陸弾道ミサイルかという感じ(笑)。
■ 歌声と鍵盤の低さがかなり耳に飛び込んでくる。曲によってはピアノソロもあるが、表現力の緻密さに比べて音の厚さに変化はない。この圧倒的な力強さは目が見えないからこその音に対する絶大な信頼から生まれているような気がする。世にも稀有な「大音量で感じて欲しいピアノトリオアルバム」だ。 (200404)

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Huey "Piano" Smith / Rockin' Pneumonia And The Boogie Woogie Flu

■邦題「ロッキン肺炎とブギウギ感冒」これを見ただけでどうしても手に入れたくなるアルバム(原題も一緒だけどね)。
■Dr.Johnもアラン・トゥーサンもアート・ネヴィルもみんながみんな影響を受けたニューオリンズピアノの先駆者ヒューイ・スミスの全盛期の作品集。クラウンズ名義12曲(もちろん大ヒットのHi Blood Pleasureも)、そしてプロデュース&バックでの参加としてボビー・フィールド2曲、ボビー・マーチャン9曲。古式ゆかしいニューオリンズR&Bダンスナンバーがぎっしり詰まっている。モータウンやアトランティックのR&Bがどこから生まれてきたのかがこれを聴いていると分かってくる。
■'50年代後半の録音が中心なのでここで紹介している他のモノとはちょっと違和感があるが、押さえておくべきスタンダードだ。

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Harry ConnickJr. / Come By Me

■1曲目の甘〜いボーカルから一転して、ラグタイム風のローリングピアノになる2曲目、そしてもう一回転してビッグバンド調になっていくあたりがいいね。
■99年のビッグバンドアルバム。彼の場合はアルバムごとに、これはビッグバンド、これはピアノソロ、これはファンクと色分けされているのがイイ。
■しっかし、この自分に酔いまくりのジャケは何とかならんもんかねえ。

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Harry ConnickJr. / She

■ビッグバンドの王子様、ハリーコニックJrの94年の問題作。実は実家がNOでねぇという感じで発売したルーツ作にしては、きちんと作っている好感アルバム
■George Porter Jr.、David Russell Batiste Jr.Joseph "Zigaboo" ModelisteなどなどそうそうたるFUNKアーティストを上手く使い、決してビッグバンドファンの眉もしかめさせないくらい上品に、でもNOを標榜するからにはとそれ相応のグルーヴを見せてくれている。
■その結実がコンテンポラリーゴスペルやStuffの音のような風味を醸し出してたこのアルバムだ。(NOファンクの)音が軟弱になったヤツだとか、妥協したとかではなく、あくまで進化系の音だ。この時この男はすごくなるのかもと感じさせられた人も多いはず。ころころローリングするピアノがたまらないぞ!

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Have Soul Will Travel / Live At The Funky Butt

■まるでバーケイズのようなユル〜いホーンで始まるハヴ・ソウル・ウイル・トラベル(バンド名意味不明)の2002年のファーストアルバム。60年代の熱く気だるいインストルメンタル・ファンクの再現かと思えば、意外とクールな面も出てきたりして、只者じゃないところを予見させるアルバムである。
■曲が進むうちに段々激しくなっていくドラム、と激しくてもクールにアンサンブルを奏でるブラス、そして変態的に踊るギター、その全てが合わさってとてもソリッドな空間を作っている。6〜11分台の曲が並ぶがどれも熱さとクールさを兼ね備えた実に微妙なボーダーラインを歩いている。グルーヴにノルもよし、冷たさに感じるもよし。
■Funk Incのニューオリンズ版という感じか。録音はニューオリンズのFunky Buttでのライブを収録。今後の活躍が楽しみだ。

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